自治体営業とは?営業の流れや成功のコツをわかりやすく解説
「自治体に自社のサービスを提案したいけれど、何から始めればいいかわからない」「民間企業と同じように営業しているのに、なかなか成果につながらない」と悩んでいませんか。
自治体営業は、民間企業への営業とは異なり、意思決定の流れや予算の考え方など、独自の仕組みの中で進められます。そのため、民間企業と同じ感覚で営業しても、思うように話が進まないことがあります。
本記事では、自治体営業の基本的な特徴や難しいといわれる理由、営業前に押さえておくべきポイント、年間の動き方、そして成果につなげるためのコツまでをわかりやすく解説します。
これから自治体営業を始めたい方や、現在の営業方法を見直したい方は、ぜひ参考にしてください。
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目次(タップで開く)
自治体営業とは?
自治体営業とは、都道府県や市区町村などの地方自治体に対して、自社の商品やサービスを提案し、契約や事業の受注を目指す営業活動です。
自治体への営業では、商品やサービスの魅力を伝えるだけでは十分とはいえません。自治体がどのような課題を抱えているのかを知り、自社がどこで力になれるのかを考えたうえで提案する必要があります。
また、自治体は民間企業とは異なる予算・契約の仕組みのもとで事業を行っています。地方自治法では、自治体の会計年度を4月1日から翌年3月31日までと定めているほか、毎年度の予算について議会の議決を経ることや、一般競争入札・指名競争入札・随意契約などの契約方法を定めています。
そのため、自治体営業で成果につなげていく上では、自治体が抱える課題を把握し、予算や意思決定、契約の仕組みを理解したうえで営業を進めることが大切です。
参考文献
民間営業との違い
自治体営業と民間企業への営業では、提案から契約に至るまでの仕組みに違いがあります。
民間営業では、企業ごとの意思決定の仕組みに沿って商談や契約を進めます。一方、自治体では、年度ごとに編成される予算や議会での議決、入札などの契約手続きを踏まえて事業を進める必要があります。
たとえば地方自治法では、一会計年度の収入や支出を予算に組み込み、自治体の長が作成した予算について議会の議決を経ることが定められています。 さらに、自治体が行う契約についても、一般競争入札や指名競争入札、随意契約などの方法が定められています。
そのため、自治体営業では、担当者に商品やサービスの魅力を伝えるだけではなく、「いつ提案するのか」「予算化につなげられるのか」「どのような手続きで事業者が選ばれるのか」まで見据えて営業活動を進めることが重要です。
参考文献
自治体営業が難しいといわれる理由・特徴
自治体営業は、民間営業とは異なる予算編成や意思決定、契約の仕組みを踏まえて進める必要があります。
提案内容が自治体のニーズに合っていても、すぐに事業化できるとは限らず、担当者との関係性だけで契約が決まるわけでもありません。また、自治体によって抱える課題や重点施策も異なります。
ここでは、自治体営業が難しいといわれる主な理由を解説します。
予算や年度に合わせた営業が必要になる
自治体では年度ごとに予算が編成され、その範囲の中で事業が進められます。ニーズに合った提案でも、予算が確保されていなければ、すぐに事業として動き出すわけではありません。
たとえば札幌市では、令和8年度予算について2025年10月に予算編成方針を公表し、12月には各部局から提出された予算要求の概要を公開しています。その後、市長査定などを経て、2026年2月に予算案が議会へ提出されています。
このように、予算要求や査定、予算案の決定などには一定のスケジュールがあり、その時期は自治体によって異なります。
参考文献
提案から受注までに時間がかかる
自治体営業では、担当者が提案に前向きであっても、すぐに事業化や契約が決まるとは限りません。
自治体では、各部局による予算要求や査定、予算案の作成、議会での審議など、事業実施に向けて複数のプロセスがあります。
たとえば札幌市の令和8年度予算編成では、2025年12月に各部局の予算要求が公表された後、市長査定などを経て予算案がまとめられ、2026年2月12日に議会へ提出、3月26日に可決されています。
そのため自治体営業では、提案から事業化まで一定の期間が必要になることを想定し、一度の提案で受注を目指すのではなく、自治体側の検討状況に合わせて継続的に情報提供やフォローを行うことが重要です。
参考文献
人脈や関係性だけでは受注につながらない
自治体では、担当者との関係性だけで契約先が決まるわけではありません。
地方自治法では、地方公共団体の契約方法として、一般競争入札、指名競争入札、随意契約などが定められています。案件によって適用される契約方法や参加条件が異なるため、営業段階で担当者から良い反応を得られたとしても、それだけで受注が確定するわけではありません。
そのため、自治体営業では担当者との信頼関係を築くことに加えて、入札や公募、プロポーザルなど、案件ごとに定められた事業者選定の仕組みを理解し、自社を選ぶ根拠となる実績や提案内容を整えることが重要です。
参考文献
第243条より
自治体ごとに適した提案が異なる
自治体によって、人口規模や予算、抱えている地域課題、重点的に取り組む政策は異なります。そのため、一つの自治体で成果を上げた提案を、そのまま別の自治体へ展開できるとは限りません。
営業する自治体の計画や政策、地域の状況を事前に調べ、それぞれの課題に合わせて提案内容を考えることが大切です。
自治体営業を始める前の情報収集と準備
自治体営業では、すぐに商品やサービスを売り込むのではなく、事前に「どの自治体へ、どのような提案をするのか」を整理しておくことが大切です。
自治体ごとに地域課題や重点施策、予算、実施している事業などは異なります。また、入札などに参加する際には、案件によって参加資格や提出書類などの条件が設けられています。実際に自治体の公式サイトを見ると、行政計画や予算のほか、入札公告、仕様書、参加資格など営業前に確認しておきたい情報が数多く公開されています。
こうした公開情報を手掛かりに、自社の商品・サービスと自治体の課題が重なる営業先を見つけ、提案に必要な準備を進めましょう。
参考文献
自社と相性のよい自治体を絞り込む
まずは、自社の商品やサービスがどのような地域課題の解決に役立つのかを整理し、その課題に力を入れている自治体を探します。
たとえば、子育て支援に関するサービスであれば、少子化対策や子育て環境の充実を重点施策としている自治体などが候補になります。
自治体の規模や地域だけで絞るのではなく、自社の強みと自治体のニーズが重なるかという視点で営業先を選ぶことが重要です。
自治体の課題や政策を調べる
営業先の候補を絞ったら、その自治体がどのような課題を抱え、何に力を入れているのかを詳しく調べます。
自治体では、中長期的なまちづくりの方向性を示す「総合計画」をはじめ、さまざまな行政計画が策定されています。また、施政方針や予算書、議会資料などからも、現在の重点施策や今後の方向性を読み取ることができます。
たとえば仙台市では、10年間のまちづくりの指針となる「仙台市基本計画2021-2030」に加え、おおむね3年間の具体的な目標と事業を定めた「仙台市実施計画2024-2026」を公開しています。実施計画まで確認することで、自治体が目指す将来像だけでなく、現在どのような事業に取り組んでいるのかまで具体的に把握できます。
また、計画に記載されている内容だけで判断するのではなく、予算や現在実施されている事業などもあわせて確認することが大切です。
こうした情報をもとに、「自社の商品やサービスを使って、自治体の課題解決にどのように貢献できるか」を考えてみましょう。
参考文献
なお、自治体営業では、企業側が自治体について知るだけでなく、自治体側に自社の存在や取り組みを知ってもらう接点をつくることも、その後の関係構築につながります。
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適切な担当部署を確認する
自治体では、観光、福祉、教育、防災、DXなど、分野によって担当する部署が異なります。そのため、提案したい内容に合った担当部署を事前に確認しておく必要があります。
自治体のホームページに掲載されている組織図や各部署の業務内容などを確認し、自社の商品やサービスと関連する部署を探しましょう。
適切な部署にアプローチすることで、実際に抱えている課題をヒアリングしやすくなり、その後の提案にもつなげやすくなります。
入札参加資格について事前に確認する
自治体の競争入札に参加する場合、事前に入札参加資格の取得が必要となることがあります。そのため、将来的に入札への参加を考えている場合は、営業先となる自治体の参加資格や申請方法を早めに確認しておきましょう。
たとえば仙台市では、市が発注する競争入札に参加するためには、入札参加資格審査申請を行い、競争入札参加資格者名簿に登載される必要があります。
また、実際の入札では案件ごとに参加条件などが定められるため、自治体の入札・契約情報を継続的に確認することが大切です。仙台市でも契約方式ごとの参加資格や手続きが公開されています。
参考文献
自治体営業の年間スケジュール
自治体営業では、自治体の予算編成や事業実施の動きを踏まえ、早い段階から情報収集や提案を進めることが重要です。
ただし、予算編成の時期はすべての自治体で同じではありません。
たとえば、仙台市では、令和8年度予算について10月に予算編成方針を策定・通知し、10〜11月に各部署による予算見積・予算要求、11〜12月に財政局による査定が行われています。また、堺市では10月中旬に予算編成方針を決定し、11月上旬に各部局が予算要求を行っています。
このように、予算編成の具体的な時期は自治体によって異なるため、「○月に営業すればよい」と一律に考えるのではなく、営業先となる自治体の予算編成方針や公開情報を個別に確認することが大切です。
ここでは、複数の自治体が公開している予算編成過程を参考に、企業側が意識したい年間の動きを紹介します。
4~6月|情報収集・関係構築
4~6月は、新年度の開始に合わせて自治体の重点施策や担当部署などを確認し、今後の提案に向けた情報収集を進める時期として捉えましょう。
総合計画や施政方針、当年度予算などの公開情報を確認するとともに、担当者との接点をつくり、現在抱えている課題や取り組みについて理解を深めていきます。
この段階では、すぐに商品やサービスを売り込むのではなく、自治体がどのような方向を目指しているのかを把握し、次年度以降の提案につながる土台をつくることが大切です。
7~9月|次年度を見据えた提案準備
7~9月頃からは、次年度の事業化を見据えて、これまでに集めた情報やヒアリング内容をもとに提案を具体化していきます。
自治体によっては、この時期から次年度予算に向けた検討が始まります。たとえば苫小牧市では、令和8年度予算編成において8月29日を概算要求ヒアリング資料の提出期限とし、9月12日に予算編成方針を通知しています。
一方、予算要求が本格化する時期は自治体によって異なります。そのため、営業先の予算編成スケジュールを確認しながら、課題解決の方法や必要な費用、期待できる効果、他自治体での事例などを整理しておきましょう。
10~12月|予算要求・査定を見据えたフォロー
10~12月頃は、多くの自治体で次年度予算の編成が具体化する時期です。
たとえば仙台市では、令和8年度予算の編成にあたり、10~11月に各部署が予算見積・予算要求を行い、11~12月には財政局による要求内容の査定が行われました。その後、12月に予算案の事務内示、12月~1月には追加・修正の要求が行われています。
この段階では、一度提案して終わりにするのではなく、自治体側の検討状況に応じて、事業の必要性や効果を説明するための情報を提供することが重要です。
他自治体での導入事例や客観的なデータ、費用の根拠など、庁内で事業の必要性を検討する際に活用できる材料を整理し、必要に応じて担当者をフォローしましょう。
参考文献
1~3月|予算案の決定・次年度の事業実施に備える
年明け以降は、査定を経て翌年度の予算案が具体化し、議会での審議へと進んでいきます。
一宮市では1月中旬に市長査定が行われ、堺市でも1月中旬に市長査定によって予算案が最終決定されます。また、大津市では2月上旬に予算書などを作成し、2月中旬に市議会へ予算議案を提出、3月下旬に議会の審議・議決を経て予算が成立する流れとなっています。
企業側は、予算化された事業について入札や公募、プロポーザルなどの情報を確認し、事業者選定に向けた準備を進めます。
また、予算化されなかった場合でも、それまでに得た情報や自治体との接点を整理し、次年度以降の提案につなげることが大切です。
自治体営業では、年間スケジュールを一律のものとして捉えるのではなく、各自治体が公開している予算編成方針や予算編成過程を確認しながら、営業活動のタイミングを調整していきましょう。
参考文献
自治体営業の具体的な流れ
自治体営業では、自治体の課題を把握してすぐに契約へ進むわけではありません。情報収集やヒアリングから始まり、提案・予算化、事業者選定など複数の段階を経て受注につながります。
前章では「いつ動くか」という年間スケジュールを紹介しました。ここでは、「何をするか」という視点から、自治体営業の基本的な流れを5つのステップに分けて解説します。
STEP1|自治体の課題やニーズを把握する
まずは、営業先となる自治体について情報収集を行い、どのような地域課題や行政課題を抱えているのかを把握します。
情報収集では、自治体が公開している総合計画や実施計画、施政方針、予算資料などが参考になります。これらを確認することで、中長期的なまちづくりの方向性や、現在重点的に取り組んでいる政策を把握できます。
そのうえで、担当者へのヒアリングを通して、公開情報だけでは分からない具体的な課題やニーズを確認しましょう。自社の商品やサービスを起点に考えるのではなく、自治体の課題を起点として提案の方向性を考えることが重要です。
STEP2|自治体の課題に合わせて提案する
把握した課題やニーズをもとに、自社の商品やサービスを活用した解決策を提案します。
提案する際は、商品やサービスの機能を紹介するだけでなく、導入によって自治体の政策や計画とどのように結びつき、地域や住民にどのような効果が期待できるのかを具体的に示すことが大切です。
他自治体での導入事例や客観的なデータなども活用し、自治体内部でも事業の必要性を説明しやすい提案を目指します。
STEP3|予算化に向けてフォローする
自治体で事業を実施するためには、必要な予算を確保する必要があります。そのため、提案後も自治体側の検討状況に応じて、必要な情報や資料を提供します。
自治体では、各部署から提出された予算要求について査定や調整が行われ、最終的な予算案が編成されます。その過程を踏まえ、見積書や導入効果を示すデータ、他自治体での実績など、事業の必要性や妥当性を検討するための材料を準備しておきましょう。
ただし、予算編成の具体的な時期や進め方は自治体によって異なるため、営業先となる自治体が公開している予算編成方針や関連資料を確認することも重要です。
STEP4|入札・公募・プロポーザルなどに参加する
予算化され、事業者の募集が始まったら、自治体が定める方法に沿って参加します。
自治体の契約では、競争入札やプロポーザルなど、案件に応じてさまざまな方法で事業者が選定されます。参加する際は、公告や募集要項、仕様書、参加資格、評価基準、提出期限などを確認し、それぞれの条件に沿って必要な手続きや提案を行いましょう。
また、競争入札への参加にあたっては、自治体によって事前の資格登録が必要となる場合があります。案件が公表されてから慌てることがないよう、営業先となる自治体の入札参加資格や契約制度についても、あらかじめ確認しておくことが大切です
STEP5|契約・事業実施後も関係を築く
事業者として選定された後は、自治体と契約を結び、決められた内容に沿って事業を実施します。
自治体営業では、受注がゴールではなく、自治体の課題解決に貢献するうえで築き上げる信頼関係が重要になります。
実施した事業で得られた成果や実績を整理することで、その自治体との継続的な関係構築や、他自治体への提案にも活用できます。こうした実績や情報発信を積み重ね、自治体から認知され、信頼できる企業として接点を持ち続けることも、次の自治体営業につながります。
参考文献
自治体担当者へのアポ取り・ヒアリングのコツ
自治体営業では、最初の接点となるアポ取りやヒアリングも重要です。民間企業への営業と同じように、自社の商品やサービスの紹介だけを目的として連絡すると、話を聞いてもらえない場合があります。
自治体の課題や担当者の立場を理解したうえで、「相手にとってどのような情報を提供できるか」という視点からアプローチしましょう。
適切な担当部署を確認してアプローチする
まずは、自社の商品やサービスと関係する担当部署を確認します。
自治体の公式ホームページに掲載されている組織図や各部署の業務内容、総合計画や施政方針などを確認すると、どの部署が関連する課題や施策を担当しているのかを把握しやすくなります。
提案内容と関係の深い部署を見極めたうえでアプローチすることで、担当者との具体的な話につなげやすくなります。
売り込みではなく情報提供を意識する
アポを取る際は、「自社の商品を紹介したい」という企業側の都合だけでなく、自治体担当者にとって話を聞くメリットを伝えることが大切です。
たとえば、自治体が力を入れている施策に関連する他自治体の事例や、課題解決に役立つ情報を提供するという形であれば、面談の目的を具体的に伝えられます。
事前に自治体の課題や行政計画を確認し、「なぜこの自治体、この部署に連絡したのか」が伝わるアプローチを心がけましょう。
ヒアリングでは課題や現在の取り組みを確認する
担当者との面談では、すぐに自社の商品やサービスを説明するのではなく、まず自治体が抱えている課題や現在の対応状況を確認します。
公開情報だけでは分からない現場の課題や、現在取り組んでいる施策、今後検討していることなどを聞くことで、より自治体の状況に合った提案を考えやすくなります。
ヒアリングで得た情報をもとに、自社の商品やサービスがどのように課題解決に役立てるのかを整理し、次の提案につなげましょう。
継続的に情報提供する
自治体営業では、一度の面談だけで受注につながるとは限りません。
面談後も、担当者の課題に関連する情報や他自治体の事例などを必要に応じて共有し、継続的に接点を持つことが大切です。
単なる営業先としてではなく、「課題について相談できる企業」として信頼を積み重ねることが、その後の提案機会にもつながります。
自治体営業を成功させるコツ
自治体営業では、商品やサービスの魅力を伝えるだけでなく、自治体の仕組みや担当者の立場を理解し、時間をかけて関係をつくっていく視点も必要です。
ここでは、自治体営業を成果につなげるために意識したい4つのポイントを紹介します。
自治体のスケジュールに合わせて営業する
自治体営業では、予算編成や事業実施のタイミングに合わせて営業活動を行うことが重要です。
提案する時期が遅いと、内容が自治体のニーズに合っていても、次年度の予算に反映できない場合があります。そのため、自治体の年間スケジュールを把握し、情報収集やヒアリング、提案を適切なタイミングで行いましょう。
また、実際の検討時期は自治体によって異なるため、年間スケジュールを目安にしながら、それぞれの自治体の動きを確認することも大切です。
担当者との信頼関係
自治体営業では、継続的な関係を築き上げることが重要になります。
ここでいう信頼関係とは、担当者と個人的に親しくなることではありません。自治体が抱えている課題に耳を傾け、必要な情報や他自治体の事例などを継続的に提供することで、「地域課題の解決に向けて相談できる企業」と認識してもらうことが大切です。
一方的な売り込みではなく、自治体と一緒に課題解決を考える姿勢を意識しましょう。
実績や事業を任せられる信頼性を示す
自治体では、商品やサービスそのものだけでなく、事業を安定して実施できる企業かどうかも重要です。
これまでの導入実績や実施体制、導入後のサポート体制などを示し、契約後も責任を持って事業を進められることを伝えましょう。
また、実績を紹介する際は、営業先と人口規模や地域課題などが近い自治体の事例を示すことで、導入後のイメージを持ってもらいやすくなります。
自治体ごとの課題に合わせて提案する
自治体によって人口規模や地域特性、重点施策、抱えている課題は異なります。そのため、すべての自治体に同じ内容を提案するのではなく、それぞれの状況に合わせて提案内容を考えることが重要です。
商品やサービスの特徴を一方的に伝えるのではなく、「この自治体のどのような課題を、どのように解決できるのか」を明確にしましょう。
自治体の立場や地域の状況を踏まえた提案を行うことで、単なる営業先ではなく、地域課題の解決をともに考えるパートナーとしての関係構築にもつながります。
自治体に自社を知ってもらう接点をつくる
自治体営業では、提案の内容だけでなく、自治体との接点をつくり、自社の取り組みや強みを知ってもらう機会を増やすことも大切です。
特に、初めて接点を持つ企業の場合、自治体側にとっては「どのような会社なのか」「地域課題に対してどのような知見を持っているのか」が分からない状態から関係が始まります。そのため、営業訪問だけに頼らず、自社の取り組みや専門性を伝える機会をつくり、認知を積み重ねていくことも一つの方法です。
当社でも、全国の首長に向けた情報交換誌「首長マガジン」を発行し、自治体と民間企業の情報接点をつくっています。こうした取り組みを通じても、自治体への情報発信では、単に企業の商品・サービスを伝えるだけではなく、自治体が抱える課題や関心に合わせて情報を届けることが重要だと考えています。
自治体に「売り込む」ことだけを考えるのではなく、まずは自社を知ってもらい、必要なときに思い出してもらえるような接点を継続的につくることも、自治体営業を進めるうえで意識したいポイントです。
自治体営業に関するよくある質問
最後に、自治体営業を始める際によくある疑問について解説します。
自治体営業はいつから始めるべき?
自治体営業では、入札や公募が始まってからではなく、それ以前から情報収集や提案に向けた準備を進めることが重要です。
次年度の事業化を目指す場合は、自治体が課題や施策について検討する段階から情報を集め、適切なタイミングで提案できるよう準備しておきましょう。
ただし、予算編成や事業実施のスケジュールは自治体によって異なるため、営業先となる自治体の情報を個別に確認する必要があります。
自治体営業では実績がないと受注できない?
自治体への導入実績は、提案の信頼性を伝える材料の一つになります。しかし、実績だけで事業者が決まるとは限りません。
自治体の課題や公募条件などを理解し、自社の商品やサービスによってどのような価値を提供できるのかを具体的に示すことが重要です。
実績がある場合は、営業先と人口規模や地域課題などが近い自治体の事例を示すことで、導入後のイメージを伝えやすくなります。
まとめ|自治体営業では自治体を理解した長期的なアプローチが重要
自治体営業は、民間企業向けの営業とは異なり、予算や制度、事業者選定など自治体独自の仕組みを理解したうえで進める必要があります。
まずは自治体が抱えている地域課題や重点施策について情報を集め、自社の商品やサービスがどのように課題解決に貢献できるのかを考えることが大切です。
また、自治体の年間スケジュールを意識しながら、担当者との継続的な関係構築や、実績・データを活用した提案を行うことも重要になります。
短期的な受注だけを目指すのではなく、自治体や地域が抱える課題を理解し、その解決に継続して関わる姿勢を持つことが、自治体営業を進めるうえでの第一歩となるでしょう。
一方で、自社の取り組みや強みを自治体に知ってもらい、継続的な接点をつくることも、その後の関係構築につながります。
株式会社全力優では、全国の首長に向けた情報交換誌「首長マガジン」を発行しています。自治体への認知拡大や、首長・自治体との新たな接点づくりを検討している企業の方は、ぜひ首長マガジンもご活用ください。
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