【夕張市長インタビュー】 危機的状況で見えた地域のつながり。コンパクトシティの推進による、住みやすいまちへ。

今回の首長インタビューは、北海道夕張市の厚谷司市長。初めてのオンラインでのインタビューとなりました。
夕張市は、かつては炭鉱のまちとして栄えていましたが、2007年に財政再建団体(政府は財政再生団体)となり一度財政破綻を経験しています。現在は再生振替特例債償還後を見据え、まちづくりの基本的指針となる「夕張市まちづくりマスタープラン」を策定し持続可能な地域社会の構築に向けて、集約型のコンパクトシティの形成を目指しています。
夕張市の魅力や、将来の展望について厚谷市長にお聞きしました!
[mokuji]
財政破綻がきっかけで固まった夕張市再建への想い。
私は生まれてからこの方、夕張市以外の市町村で暮らしたことがありません。生まれも育ちも夕張市の生粋の夕張っ子です。地元の高校を卒業後、一年間ほど市の臨時職員を経験し、その後正職員として働き始めました。市役所職員を退職したあとに、市議会議員に立候補しています。
私が市長選に立候補したのは、市職員として働いているときに経験した夕張市の財政破綻が理由としてあります。当時は財政再建をどのように進めていくのか、その厳しい状況の中、夕張市をどのように将来に残していくのかを考えていました。ずっと夕張市で暮らしてきたこと、その後市議会議員として働いてきたことを生かして、自分が必要と感じたサービスの提供を実現するのが目標でした。
市議会議員に転じたのは、常勤の公務員の立場から離れてでも、「市民のみなさまのために働きたい」という想いが強くあり、労働組合の役員経験も生かしていきたいと考えていました。
行政だけではなく、市民のみなさまと作り上げるまちづくり
そんな私が立候補のときに掲げたのが、「将来に渡る幸福感のあるまちづくり」です。
財政再建中ということで、市民の皆様に大変ご苦労をおかけしているわけですが、それでも皆さんこの夕張を愛してくださっています。財政再建当初において廃止した事業なんかも多くありましたが市民の皆さんにご理解いただき、まちづくりが進んでいます。
そういった経過を夕張の財産として、しっかりと継承していくべきだと考えました。
夕張市の人口は、7,248人(2021年5月現在)ですが、2040年の推定では2,400人まで減少するとされています。市としては、まずは人口減少を抑えたいという想いもありますが、この現状を悲観せず、この地域を守っていくことで、住民のみなさまに安心して住んでいただきたいと考えています。
しかしながら、行政だけではまちづくりが立ち行かないことも多くあります。そのため、何か起こったときには協力し、行動できる人づくりもしながら、小さくても輝き続けられるまちにしたいと思います。
未来を見据えた、しっかりとした計画を。
夕張市は全国で唯一、国指定の財政再生団体です。そのため赤字解消のための借り入れをしていますが、毎年しっかりと返済をしているため、あと6年で完済というところまで来ました。現在進めている財政再生計画を推進していき、国にきちんと返還したいと思っています。
また、2012年に「安心して幸せに暮らすコンパクトシティ夕張」を掲げました。これは拠点として1つの地区を設定し、その他の地区の中で非効率な暮らしをしている部分を再編し、住んでいく上である程度不便がないようにしていこうというものです。
というのも、少子高齢化による人口減少が想定以上に進んでいるためであり、他にも公共施設の老朽化や未利用数の増加などの課題に対する解決案を、マスタープランの中で示していこうと考えました。