【柴田町長インタビュー】”花のまち柴田”を合言葉に住民と協働のまちづくりを

「町長から見て、最も柴田町の好きなところを教えてください。」
やっぱり船岡城址公園と白石川一目千本桜ですね。
約50年前、私たちの「お花見文化」といえば、白石川の土手の桜の下を歩き、途中から東北本線を横切って、表参道から三ノ丸に上ってお花見をする文化でした。
しかし、東北本線の列車本数が増えた影響で、安全のため20数年も前に踏切が閉鎖されてしまいました。
白石川一目千本桜と船岡城址公園、その2つの花見の名所が分断され、簡単に行き来できなくなってしまいました。
私の夢はその2つの桜の名所を跨線橋で結ぶこと。
それが政治家を目指す大きな動機の一つでした。
小さな時に遊んだあの素晴らしい景色を多くの皆さんに見せられる、という夢が町長になって実現することができました。
やはり、「花のまち柴田」なのですね。町長が柴田町を花で盛り上げたいと思ったきっかけを教えてください。
30年くらい前、県庁で企業誘致といった外発型の地域振興に関わっていた時期がありました。
しかし、企業誘致の際には造成工事や電気、水道などインフラ整備にコストがかかりますし、なかなか企業が誘致できず、土地が塩漬けになるといった、うまく行かない経験をしてきました。
そこで、これからは企業誘致ではなく、人を誘致しなくてはダメだと気づきました。
そのためには、地域の魅力をみんなで磨くといった内発型の地域振興に政策を転換する必要がありました。
柴田には桜がありますから、これを核として世界に開かれた花見の名所にするにはどうしたらいいかということを基本戦略に据え、まず観光基盤整備ということで、桜を増やしたり、観光物産交流館を新しくしたりして、集客力の向上と認知度アップに努めてきたところです。
最初の頃は、町民から「花でお腹いっぱいにならない」と厳しいことを言われました。
企業誘致に比べて、見た目や成果が見えないからでしょう。
しかし、成果が出始めたのは、先ほどお話した8億8000万で整備した「しばた千桜橋」が有名になってきてからです。
それをきっかけに船岡城址公園に投資ができるようになり、柴田町の電気業者や設備業者、土木業者、造園業者約30社で仕事をしてもらいました。
つまり、国からもらったお金を地元の会社に還元することで、直接的な経済効果に繋げることができたと思っています。
次なる目標は、国が進める「ガーデンツーリズム」の認証制度への申請です。
花のまち柴田を次のステージに乗せたいと考えています。
最後に、職員柴田町の職員の皆様にメッセージをいただいてもよろしいですか。
時代の流れは我々の知らないところで大きく動いているので、常にアンテナを高くしておかなければなりません。
世の中で起こっている問題の解決のために、公務員として「じゃあ自分はどうしていかなければいけないか」ということを常日頃から考えていただきたいのです。
もちろん、ただ考えるだけでは問題は解決できないので、常に勉強や情報収集も大切です。
でも一番いいのは人と繋がって生の情報を集めて、お互いに交流し情報交換することです。
そうやって職員同士やまちづくりの仲間同士が助け合ったり、支え合ったりできるような信頼関係を構築し、さらに役場を中心に、外部の専門機関や地域のみんなを巻き込んで、まちをつくっていってほしいですね。
そのためには、こちらから常に刺激を与えることも必要だと思っています。
柔らかいスポンジのように、いつでも刺激を吸収できる柔軟な人になってほしいです。
私も常に外から刺激をもらって、自分で自分の限界を決めないようにしています。
経験を積み過ぎて、今はスポンジがガチガチになって吸収できなくなってしまった職員も、もう一度原点に戻って、どんな水でも吸収できるように常日頃から柔軟性を持ってもらいたいと期待しています。
最後に「花のまち柴田」のまちづくりにもっと磨きをかけたいと思っています。
桜まつりにおいては、子どもたちが英語でおもてなしが出来るように仕掛けています。
外国人と交流することによって、子どもたちにも自信をつけてもらうとともに、柴田町の桜を次の世代に引き継いでもらいたいためです。
我々の先人達も郷土のためにこのような桜並木を残してくれたのですから、我々もこの桜を千年先までつないでいくことが大きな使命だと思っています。
今後とも多くの人たちを巻き込み、みんなで汗を流しながら町を盛り上げていきたい。
それが柴田町のまちづくりの原点だと思っています。
「花のまち柴田」への愛が強く、住民との協働のまちづくりを大事にされている滝口町長。
住民と職員のことを大切に考え、柴田町のさらなる発展を牽引していくポジティブな姿勢がとても素敵でした。
今回は貴重なお話をお聞かせくださり、ありがとうございました!
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